サポート詐欺について

パソコンを触っているときに突然このような画面が出てきた際、あなたはどう対処しますか?
電話番号に電話?しっかりページを確認する?×ボタンで閉じる?実はどれも間違いです!
本稿はこのような「サポート詐欺」について解説していきます。

目次

1.実際の事例

実際の事例をご紹介します。

2025年5月8日農業支援センターで、農地中間管理事業に関する個人情報が流出した可能性が判明した事件。
ウイルス感染メッセージが表示され、画面に表示された電話番号に電話して指示に従いURLを入力したところパソコン内のデータが消去された。
全契約者およそ3万2000名と団体の個人情報や金融機関口座情報などが影響を受けた可能性があるといいます。

企業に対しては、このように金銭を騙し取るのではなく情報の窃取やデータの削除を行うケースも存在します。
他にも、乗っ取ったパソコンを踏み台にして社内に拡散されるケースや、マルウェアのインストールを行われる可能性なども存在します。

2023年7月 インターネット利用中に突然大音量の警告音が鳴り、「ウイルスに感染した可能性がある」と警告画面が表示された。
マイクロソフトを名乗る電話番号の表示があったため、電話をかけて指示に従ってしまい遠隔操作ソフトをインストールし、犯人の指示でインターネットバンキングのログインをしてしまった。
最後に料金として100円を請求され、手ごろな価格だと油断しパスワードなどを入力した後に、送金額の画面で遠隔操作され100万円を送金させられてしまいました。

金銭を騙し取る手段もさまざまで、金融情報の窃取や修理代としての送金指示、パソコンの乗っ取りによる高額送金などがあります。
主にパソコンやインターネットがあまり身近でない高齢者が被害に合うケースが多いようです。

2.対処法

画面や電話の指示に従ってしまうと、金融情報・顧客情報の窃取やデータの削除等大きな被害を受けてしまいます。

ではどう対処すればよいのでしょうか?

2-1.正しい対処法

正しい対処法は「何もせず画面を閉じる」事です。

インターネット上の画面の表示や音は不安を煽るための演出であり、表示された時点では問題ない場合がほとんどです。
ですが、その画面内や本来ウィンドウを消す×ボタンは別のボタンに置き換えられている可能性があるので迂闊に操作しないことが大切です。

ではどのように画面を閉じるのか?
それは「タスマネージャーからタスクを終了させる」という方法を取ります。
これによりリスク無く画面を閉じることができます。

①画面下部のウィンドウズマークを右クリック
②選択肢の中からタスクマネージャーをクリック
③使用していたブラウザ(インターネットアプリ)を右クリック
④タスクの終了をクリック

2-2.本当の警告画面

↑本来のウイルス感染警告画面

実は、このような本物のウイルス感染警告画面は存在しますが、何らかの操作を要求されることはありませんし電話番号もついていません。
あくまでウイルスを検知し、ブロックしたことを知らせるだけのものです。
偽物と見分ける大きな違いですので覚えておくとよいでしょう。

また、セキュリティソフトによってパソコンへの危険なアプリダウンロードを防ぐこともできますが、
セキュリティソフトの妨害などでPCで情報を窃取できないことが分かると、別の方法で金銭を要求してくる可能性があります。
支払ってしまうと取り返すことが難しいため、請求されたら一度確認するように周知させておく事が大切です。

2-3.操作不能の場合

↑実際にあったマイクロソフトを騙る偽メッセージの再現画像

ちなみに、2024年からマイクロソフトサポートを騙る操作不能な偽メッセージが出現する事案が発生しており、
こちらに関しては事前に何かしらのソフトやサービスをインストールしてしまったことが原因であり、一度出ると再起動しても効果がないとのこと。
偽メッセージではあるのですがやり口がウイルスなどに近く、対策としては怪しいインストールを未然に防ぐ事とされています。

まとめ

ウイルス感染メッセージ詐欺は不安を煽り情報を盗む悪質な手口ですが、正しく対処すれば脅威ではありません。
セキュリティソフトで危険なアプリの侵入を抑止し、詐欺であることを周知させることができれば、被害に合うことはほぼなくなります。
迂闊に操作しないこと、ウイルス感染で電話や支払いは必要ないということ、この2点を忘れず落ち着いて対処することが大切です。